抹茶白玉庵

観たものや読んだものの記録。

あゝ野麦峠

あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史 (角川文庫)

あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史 (角川文庫)

日本の近代化を陰ながら支えた製糸工場の女工たちの話。

400名にも及ぶ元女工の方々を直接取材して書き上げたというノンフィクションだからこそ伝わる生々しい歴史。こういう方たちがいたからこそ、輸出業で外貨を稼げた近代日本。貧しい農村では口減しのために、女子は遊郭か工場かに連れていかれるという動機だけでも泣けてくるのに、工場に行くまでの命がけの道のりや、現場での長時間労働・不衛生な環境・極度の栄養失調など過酷な状況で現代人としては比べるのもおこがましいくらいに頭が下がります。

どの時代も生き抜くのは楽じゃないけど、今できることを精一杯やらなければなぁと、当たり前ですがそういったことを静かに考えたくなる一作です。ぜひご一読を。